Leicaダブルレンズカメラ誕生に至るまで、開発秘話に迫る!高品質カメラの素晴らしさと産みの苦しみとは?

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UPDATE 2017.11.27
©ファーウェイ・ジャパン

スマートフォンでよく使う機能を問われたとき、通話ではなくカメラでの写真撮影と答える人も多いだろう。スマートフォンでの写真撮影を通して、思い出の一瞬一瞬を残すようになったことで、撮影体験における機能性や利便性の向上が、製品開発をする上でも重要なポイントとなっている。

2016年夏に誕生した「HUAWEI P9」を皮切りに、同年12月発売の「HUAWEI Mate 9」、翌年2017年夏に登場した「HUAWEI P10/P10 Plus」、そして2017年12月1日に新発売された「HUAWEI Mate 10 Pro」と、ファーウェイのハイエンドスマートフォンには、カメラの老舗ブランドであるLeica(ライカ)社のレンズが搭載されている。
前述した全ての製品が「モノクロセンサー+カラーセンサー」という独自構造のダブルレンズカメラを搭載しており、新製品を発売する度にさらに進化しているファーウェイ×Leicaのスマートフォンカメラだが、ファーウェイが最初にコンタクトを開始した2014年の冬から両社が協業に合意し、そして初めてLeicaレンズ搭載スマートフォンが登場するまでには、3年弱という長い時間がかかった。



従来のカメラメーカーの持つ光学設計および画像品質管理に関するノウハウを、いかにスマートフォン分野で活用するのか。フィルムカメラ時代の素晴らしい写真を再現し、スマートフォンで撮影した写真にも「感情」と「心」を吹き込むことが出来るのか。この問題に立ち向かうために、ファーウェイはどのようにLeicaにアプローチし、協業に至ったのか。

2017年の年末、東京のLeica銀座店内にあるギャラリースペースで、ファーウェイとLeicaカメラジャパンが共同でセミナーを開催し、Leicaダブルレンズカメラの開発秘話が語られた。





歴史を守りつつ新技術への挑戦を忘れないLeica

まずはLeica社自体の歴史に触れよう。
Leicaの前身となったのは1849年、ドイツのウェッツラーでCarl Kellner氏が設立した光学研究所だった。
Leicaがカメラの試作を始めたのが1914年。今から100年以上も前のことになるが、2018年現在でもカメラのフォーマットで「35mm」という言葉があるように、その基となっている24mm×36mmのフィルムサイズはこの時に誕生している。
1920年に発生したドイツの「ラーン川の氾濫」を撮影した写真は『報道写真の先駆け』と言われており、これをきっかけにカメラが徐々に小型化され、フォトジャーナリズムが生まれたとされている。


Leicaのカメラ初の量産品は、1925年に「LEICA I型」として発売された。その後も改良を続け、1954年には現在の一眼レフカメラと同等のレンズ交換方式が既に実装されていたという。人間工学的には60年以上前に完成していたというのだから驚きである。

その後もLeicaはフィルムカメラの最新版や、色をモノクロに限定して美しい解像感を出すデジタルカメラ「LEICA-M monochrom」といった、昔の良さを維持するカメラも発売しつつ、ミラーレス一眼の「LEICA SL」やポップなカラーリングのコンパクトカメラ「LEICA Sofort」など、新しい形のカメラ開発にも積極的に取り組んでいる。

Leicaのレンズには、最高級素材である蛍石(ほたるいし)を使った「蛍石レンズ(けいせきれんず)」が採用され、実際の色を再現する技術を持っている。こういった「製品に対するこだわり」が随所に見られるからこそ、長年に渡り多くの人に愛され、最高峰のカメラブランドとしての地位を確立できている。
「車のような値段のレンズになることもあるからこそ、丁寧な販売をしています。その結果、各界の一線級の方々にこそファンが多いのです」と、Leicaジャパンの米山氏は語った。





コンタクトから3年、開発期間に2年を費やしたファーウェイ×Leicaのスマートフォン


では、世界中に多くのカメラファンから愛されるLeicaと、グローバル市場で拡大を続けるファーウェイが協業に至った背景に迫ろう。
2013年の冬、スマートフォンのカメラ品質向上を目指していたファーウェイは、カメラ業界のトップ企業であるLeicaにアプローチを開始した。しかし、ファーウェイのアプローチに対し、当初Leicaは丁寧にお断りし続けた。製品にこだわり、素晴らしい光学システムを搭載しているLeicaだからこそ、“Leica水準”を満たすカメラ性能をスマートフォンに実装することが困難であると考えていたからだ。

風向きが変わったのは翌2014年の夏。諦めずにコミュニケーションを取り続けていたファーウェイが、ようやくアポイントメントを取ることができ、両社の上層部による面談が行われることになった。
シェアを年々拡大していたスマートフォン市場に対し、自社のカメラ技術を投入したいと考えるようになったLeicaと、スマートフォンでの撮影技術を向上させたいと考えていたファーウェイ。面談によって価値観の一致を確認した両社は、戦略的提携によってwin-winの関係を築くことができると確信。その後、幾度と無く面談を重ねることで、ようやく提携が成立し、ついにLeicaレンズカメラ搭載のスマートフォンを世に送るべく、合同開発チームが立ち上がった。Leica初のプロトタイプ機「Ur-LEICA」が誕生してから、ちょうど100年目のことであった。






Leica基準を満たすために困難を極める日々


通常のカメラと比べて、レンズを搭載するスペースが大きく制限されるスマートフォンにおいて、Leicaの基準を満たす品質を実現するということは、当初、ファーウェイにとって非常に困難であった。

Leicaの試験基準が、ファーウェイが従来の製品で行なっていた品質テストの基準を大幅に超える、非常に厳しいものだったからである。

「優れた画質を保証するのはレンズのクオリティである」という考え方に基づき、スマートフォンレンズの試験基準でなく、Leicaの自社レンズの試験基準を適用させたため、強い光がレンズに入ったとき、影(ゴースト)や光点(フレア)が発生しないよう、何度も調整が必要となった。Leica基準を満たしたレンズを1セット作るのも難しいのに、最終的には大量生産しなければならない。ファーウェイは技術面だけでなく、コスト面でも難題に立ち向かう必要があったのだ。
初期の試作では、100セットのレンズのうち、要件を満たすものはわずか10セットにも届かないという、絶望的な結果となった。しかしファーウェイの開発チームは妥協せず、Leicaのスペシャリストとともにレンズ形状や2つのレンズの間隔の調整方法、周辺システムが光学部分に及ぼす影響を抑える方法など、様々な分野で細かな検討を行ったのだ。こうした努力が報われ、何とかレンズ量産の基準に達することができたのだ。

だが、問題は光学レンズだけではなかった。Leicaと協業を行ううえで重要なファクターのひとつである色彩の再現性では、ファーウェイ基準と比べて数倍にあたる140もの色数を正確に再現する必要があった。さらに、画像品質試験には色彩だけでなく、フォーカスやテクスチャ、ノイズ、ひずみなど多数の項目があり、そのすべてをクリアしなくてはならず、画像評価チームは、毎日数百枚の写真サンプルを撮影し、問題点の分析を行い、改善策を模索する日々が続いた。
Leicaとの第一弾コラボレーション製品である「HUAWEI P9」が初めて試作された際に撮影された写真は、あのLeica画質とは程遠く、残念な結果だった。しかし、ひとつひとつの課題を解決する姿勢と、昼夜問わず続けた開発の結果、製品のアップデートを重ねるたびに改良され、ついに2016年2月のMobile World Congressでは、自信を持って「HUAWEI P9」の写真を展示することができたのだ。

その後も試作を続け、2016年6月に初めてのLeicaレンズ搭載機「HUAWEI P9」を発売。ファーウェイは現在に至るまで、「HUAWEI Mate 9」「HUAWEI P10/P10 Plus」「HUAWEI Mate10 pro」と、Leicaブランドを冠するスマートフォンを発売しながら、日々改良を重ねている。





ファーウェイのダブルカメラレンズは何が素晴らしいのか

ファーウェイのダブルレンズカメラは、Leicaオリジナルのカメラとは違ったアプローチで写真のクオリティを追求している。最大の特徴は、冒頭でも記載した通り、モノクロセンサーとカラーセンサーで役割を分けたダブルレンズを搭載していることにある。
モノクロセンサーは解像度が高く、光を多く取り込むことが出来るため、暗い場所でも明るく撮影することができる。そのデータにカラーセンサーで色を取り込んだデータを合成することで、スマートフォンのカメラながら解像感の高い写真を撮影可能とした。

そのほか、人物の顔を認識して露出を調整するポートレートモードや、背景を抽出してぼかしをかけ、撮影後にもフォーカスの調整ができるワイドアパーチャ機能など、スマートフォンならではの機能も取り入れられている。





Leicaダブルレンズ カメラ× AI搭載の最新スマートフォン「HUAWEI Mate 10 Pro」

2017年12月、ファーウェイはフラッグシップスマートフォン「HUAWEI Mate 10 Pro」を発売した。
ファーウェイ製品の中でも上位モデルにあたるMateシリーズの最新モデルとなっており、Leicaのダブルレンズカメラを搭載している。

「HUAWEI Mate10 Pro」のダブルレンズはLeicaのレンズの中でも最上位クラスの「SUMMILUX(ズミルックス)」をファーウェイ専用にカスタマイズした「SUMMILUX-H」を採用している。カラーセンサーは1200万画素、モノクロセンサーは2000万画素であり、デジタルカメラ並みのF値1.6と更に明るく鮮明な撮影を可能にした。
さらにCPUにAIチップセット内蔵しており、カメラ機能も劇的に変化したことが特徴だ。撮影時、AIがリアルタイムに被写体やシーンを認識し、瞬時に最適化をかけて撮影することができるのだ。AIが認識できる被写体・シーンはフード、青空、犬、夜景、ポートレートなど全13種類。より手軽に、デジカメ並みのクオリティの撮影が楽しめるようになった。

今後も継続的に続く、Leicaとファーウェイの協業によるスマートフォン開発には、要注目である。

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